ディスコの女王」として音楽史に革命を起こした、ドナ・サマー。17分に及ぶ官能的な名曲「Love to Love You Baby」(1975年)で国際的ブレイクを果たし、グラミー賞5回受賞。1979年発表の『Bad Girls』はダブル・プラチナムを記録し、「ホット・スタッフ」「バッド・ガール」が同時に全米1位を制覇。

そんな華麗な経歴を持つ、彼女の半生やディスコグラフィなどの伝記をまとめさせていただきました。

バイオグラフィ

1948

ドナ・サマーは1948年12月31日にマサチューセッツ州ボストンで生まれる。幼い頃から教会で歌い始め、10歳の時にはすでにソロ歌手として才能を発揮。高校卒業を間近に控えた1967年、ニューヨークへ渡り、ミュージカル「ヘアー」のオーディションを受ける。

[1948年の歴史を振り返る]

世界

  • イスラエル建国宣言
  • ベルリン封鎖

日本

  • 本田技研工業設立
  • 福井地震発生

1分で分かる!激動の昭和史 昭和24年(1949年)そのときあなたは? | はやぶさ宝石箱

1968

1968年、ミュージカル「ヘアー」のヨーロッパ公演に参加し、プロとしてのキャリアをスタート。ドイツで「Aquarius」のドイツ語版をDonna Gainesとしてリリース。[19歳]

1975

1970年代に入ると、ジョルジオ・モロダーとの出会いが彼女の音楽性を大きく変える。1975年、「Love to Love You Baby」をリリースし、世界的なブレイクを果たす。この曲は、官能的な歌声と斬新なサウンドで、ディスコシーンに革命をもたらした。[26歳]

[実は、あの人も同い年]

世界

  • Fayette Pinkney – The Three Degrees
  • Anita Pointer – The Pointer Sisters
  • Rick James
  • Alice Cooper
  • Norman Connors
  • Jeffrey Osborne
  • Steven Tyler
  • Olivia Newton-John

Musicians Born in 1948 – On This Day

日本

  • 森山 良子
  • 五木 ひろし
  • 黛 ジュン
  • 沢田 研二
  • 瀬川 瑛子
  • 林家 パー子
  • 井上 陽水
  • 柄本 明
  • 由紀 さおり
  • 谷村 新司
  • Mr. マリック

1948年生まれ(今年77歳の誕生日)の芸能人・有名人一覧

1978

1978年、29歳の時に映画「Thank God It’s Friday」に出演。
1979年には30歳でアルバム「Bad Girls」をリリースし、グラミー賞を受賞。[29~30歳]

1983

1983年には「She Works Hard for the Money」を発表し、再びヒットを記録。[34歳]

2008

17年ぶりのオリジナルアルバム「Crayons」を発表。彼女の最後のアルバムとなる。[59歳]

2012

フロリダ州ネイプルズで肺がんのため死去。[63歳]

おすすめディスコグラフィ

『Bad Girls (華麗なる誘惑)』 – 1979

ドナ・サマーのアルバム『Bad Girls』(1979年)はディスコの金字塔的作品で、ロックとファンクを融合した「Hot Stuff」、社会問題を描いたタイトル曲「Bad Girls」、ドナ自身が作詞作曲した「Dim All the Lights」が収録されています。2枚組オリジナル盤はDJセットのようなシームレスな構成で、全米アルバムチャート6週連続1位を記録。おすすめ曲はグラミー賞受賞の「Hot Stuff」、情景描写が鮮やかな「Bad Girls」、バラードとダンスの融合曲「Dim All the Lights」、終盤を彩る「On the Radio」です。デラックス版では12インチ・ミックスや未収録デモ音源も追加されています。

アルバムは、「性」をテーマにしたコンセプト・アルバムであり、夜の街を彷徨う女性たちの姿を描いています。しかし、単に売春を美化するのではなく、社会的なメッセージが込められています。ドナ・サマー自身が、友人がロサンゼルスのサンセット・ブールバードで警官に売春婦と間違われた経験からインスピレーションを得て、このアルバムを制作したそうです。

[1979年ヒットソング回顧録]

海外

  • My Sharona – The Knack
  • Le Freak – Chic
  • Da Ya Think I’m Sexy? – Rod Stewart

国内

  • 舟唄 – 八代亜紀
  • いい日旅立ち – 山口百恵
  • いとしのエリー – サザンオールスターズ

1979年の洋楽ヒット曲ランキング – 洋楽ジャム

あの頃のヒット曲[1979年]|JOYSOUND.com

語るなら外せない関連アーティスト

Paul Jabara – ポール・ジャバラ

ポール・ジャバラ(1948-1992)は、ディスコ黄金期に「Last Dance」「No More Tears (Enough Is Enough)」で時代を刻みつつ、LGBTQ+カルチャーの音響的旗手として異彩を放ったアーティスト。ブロードウェイ『ヘアー』での俳優デビューから、ドラァグクイーン文化の聖歌「It’s Raining Men」誕生まで、その創作は常に身体性と社会性を螺旋状に交錯させました。

ドナ・サマーが拒否した同曲をウェザー・ガールズへ転嫁し、結果的にゲイ・アンセムとしてドラァグクイーンのショーで頻繁に使用され、ル・ポールもカバーするなど、LGBTQ+コミュニティからの支持も厚いですね。

1991年には、エイズ啓発のためのレッドリボンプロジェクトを共同で設立し、社会活動家としても貢献しました。彼の作品の収益の一部はAMFAR(the American Foundation for AIDS Research)へ寄付されたそう。

単なるダンスフロアの熱狂を超え、LGBTQ+コミュニティの「社会的なメッセージ」を帯びて今日まで反響し続けているようです。
頭があがりませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

親の代から有名なドナ・サマーは、名前こそ聞いたことありましたが、良く調べもせず、避けて通ってきたアーティストでした。

改めて調べてみて、彼女の音楽業界への貢献や、音楽に込められた社会的なメッセージを知り、感無量であるとともに、もっと早く知りたかったと後悔…笑

調べているうちに、ドナ・サマーがゲイ・コミュニティに対して不適切な発言があったとして、批判を受けたという記事を読みました。彼女が実際にそのような発言をしたのかは不明であり、本人はその後、そのような発言はしていないと否定しています。

彼女と友人関係にあったポール・ジャバラや関係者を考えると、そのような不適切な発言はなかったのではないかと思いますし、そう信じたいです。ドナ・サマー自身も「性的指向で人を判断しない」と述べており、LGBTプライドイベントへの出演やHIVチャリティイベントへの参加など、ゲイコミュニティへの支持を示す行動が、彼女のLGBTQコミュニティに対してフレンドリーな姿勢であることを裏付けているのだと思います。

女性の社会的な立場を訴えた内容や、ゲイコミュニティへの賛歌になるような曲を生み出したドナ・サマーのような「音楽と社会問題」を結び付けたアーティストに出会えたことで、このブログ記事を書いた意義があったなと思います。

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